20世紀最後の日食

Mojtaba Kheir-Khah, イラン


近いうちに太陽系の巨大な恒星(太陽)が地球から隠れて見えなくなるであろう。 今回は小さな月によって引き起こされる。アジア大陸では20世紀最後の日食である。

人類は大昔から常に天空の珍しい現象に関心を持っていた。それらの現象のある物は 未知であり、あるものは既知であったが、人々の気持をそそるものであった。 月食のように過去、現在、未来にわたって人々に強い魅力を与え続けた珍しい現象の 一つが日食である。占星術(天文学?)の予想では今世紀最後の日食が1999年8 月11日(水)に起こる。地理上日食は大西洋の西、ニューヨークの東で始まり、欧州、 アジアの12ヶ国14000Kmにわたって観察される。特にトルコ、イラク、イラン、 パキスタンで日食がよく見られ、最後はバングラ湾(ベンガル湾?)のインド亜大陸の 東で終わる。米国航空宇宙開発局(NASA)はイランの都市、南エスファハーンがその 宇宙現象を観察するのにもっとも適当な場所と言明している。

イランの天文学者たちは今回の日食はイランでは20世紀で一番長く続き、1999 年8月11日の16:30頃に起こると報告している。エスファハーンでの皆既日食の 時間は1分35秒間であり、隣接県のナジャファバートではそれよりも8秒長い。 特筆すべきは、エスファハーンはイランの歴史、建造物、工芸品の分野で世界的に著 名な観光都市の一つである。従って、宇宙の奇跡が正確な地点で、しかも著名な場所 で観測されるが、歓呼の声がこだまするであろう。

そのために、イランではABA(Ashti Ba Aseman)(宇宙と再び親しくなるの意味)と 呼ばれる大学の宇宙学者のグループが、学生たちの助けを借りて、国の内外でその現 象を最もよく観察しようとしている。従って、ABAではすでに必要な情報のため、テ ヘランでセミナーを準備しているし、また、日食の時期にもセミナーの開催を予定し ている。さらに、そのテーマを学習するための学生大集会をエスファハーンで準備 している。更に日食の前日(1999.8.10.)に内外の研究者等によって‘イランにおけ る恒星の歴史’というテーマで特別セミナーが開催される。

また、詳細な情報を希望者に提供するインターネットのスタッフも用意されている。 恐らくイラン観光を希望する人々にとっても又とない機会である。勿論、イランの 観光業は以前からその準備を進めてきている。天文学者等は日食を見る際には 眼鏡なしで直接見ると目に危険であるから、きちんとした曇りガラスの眼鏡を必ず 着用することを強く要望している。

このような日食を通して、天文学者以外の者も日食の観察に幾分なりとも興味をもつ のではないだろうか。日食の間人々は少なくとも天上の月が地上では影になって 動くのを感じて驚くでしょう。最後に私は、次の月食の時に人間の永久の住家、即ち 地球の影が月の上におちるのを注目して欲しい。その時‘どの天体がどの天体の 上にあるか、下にあるかを自問してみてはどうか。

Originala teksto: Mojtaba Kheirkhah (Iran) en Esperanto,
esperanto@dpir.com

Traduko al la japana: Aida Kiyoshi (Kanagawa-ken),
fwiv1993@mb.infoweb.ne.jp